歯のお話

2013年8月17日 土曜日

歯がしみるのは・・・

Nico 2011年 2月号より (図Nico
2011年2月より)












 暑い日は冷たい飲み物を飲んだりアイスクリームなどを食べることの多い時期と思います。そのような時期は「歯がしみる」という方が多くなります。

 歯がしみるという症状(冷水痛)があると必ずむし歯があるかというとそうでもないというケースがよくあります。歯がしみるという症状は神経のある歯の場合歯の方が出す最初の警告サインであることが多いです。しみるという症状はむし歯、歯周病による歯の根の露出、歯の亀裂や破折、詰め物の不適合やその下のむし歯、歯に対する過重負担・・・その他の原因というような事が単体あるいは複雑に絡み合います。直視やレントゲン写真ではっきり分かるむし歯があればいいのですが、過重負担や亀裂などが絡むとすぐに診断するのが難しいこともあります。むし歯が原因でない歯がしみるという症状は知覚過敏症といわれ、痛みを生む刺激が歯のどこから入り込んでいるのか検査し探していきます。一般的な知覚過敏症の治療は主に4つのステップで治療していきます。

 

one自然治癒を促す。
 夜間の歯ぎしりや日中の必要のない時の歯の接触時間の長い方(通常食事時間を含めても1日の上下の歯の接触時間は20分以内と言われています)は歯の内部に力が伝わり歯がしみるという症状を起こすことがあります。過剰な免疫機能で食物アレルギーや花粉症になるように、必要のない過剰な咬む力は口の中で様々な障害を起こし、その中の一つの症状として歯がしみるという症状があります。特徴としてしみる場所が変わったり特に治療したわけでもないのにしみるのがなくなったという場合この可能性があります。過剰な力がかからないように気を付けてもらうだけで治るケースも多いです。

twoコーティングする
 歯周病で歯の根が露出している、さらに歯の根もとがクサビ状に欠けているなどして本来口の中に見えていない象牙細管という歯の内部の組織が露出、開口すると内部に温度差が伝わりやすくなり歯がしみます。象牙細管を封鎖し歯の内部に温度差が伝わりにくくするように知覚過敏用のコーティング材を塗ったり、お家ではコーティング成分の入った知覚過敏症用の歯磨き剤を正しい方法で使用してもらいます。

threeレジンといわれる樹脂などで埋める
 歯の根元のすり減りでその部分からしみている場合レジンといわれる樹脂で元の形態に戻すように埋めたり、歯の亀裂などでしみている場合は詰め物でカバーして刺激を伝わりにくいようにします

four 歯の神経をとる
 むし歯のように歯の神経に細菌感染ない知覚過敏症のケースでもしみたり、しみなくなったりを繰り返すうちずっと神経が興奮状態になり治癒が見込めなく日常生活に差し障りが出るような時もあります。その場合は歯の神経をとる根の治療が必要になることがあります。

threefourの間の壁が高い感じもしますがfourの症状になると自然治癒力や保存的な治療では完治は困難と思われます。

「歯がしみる」という症状で自然に治ったから、強くしみないから大丈夫と安心せず一度検査する事をオススメします。


投稿者 山口歯科医院

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