歯のお話

2013年9月 4日 水曜日

歯の大敵、歯のくいしばり

 みなさんは口をそっと閉じた時どこか上下の歯はあたっているでしょうか?ご自身の普段の生活の中で自分の顎の位置がどこになるのかということを考える方はほとんどないと思います。常に意識する必要は全くないですがただ本来の位置を知っているのと知らないのとではお口の中のトラブルが起こる確率を大幅に減らすチャンスを失っているかもしれません。




 上下の歯は1日の生活の中で(食事、会話、唾を飲み込むなど)20分以内といわれています。食事の時は歯と歯の間に食物がありますし、常時力仕事で踏ん張っているという方も少ないと思います。咬むことにより脳ストレス値が改善されたり脳血流が増えるような実験結果もあります。では咬んだ方がいいのではと思われるかもしれませんが一種の癖のようなもので必要のない時に(テレビを見る、家事をしている、パソコンをしている・・・他多数)歯を長時間接触させる方がおられます。大きく減ったりかけたりした時に再生しない歯という硬組織同士が1日何時間も、それが何年と続くと様々な障害が出てきます(図1)。
 歯科治療やブラッシングが上手くいき歯周病やむし歯になりにくいお口のなかの環境になりしっかり咬めるあまり自分自身の咬む力で歯が悪くなっては元も子もないと思います。過剰な自身の免疫力で花粉症や食物アレルギーが出るように必要のない過剰な自身の咬む力は必要ないと思います。咬む力である程度コントロールし咬みしめに気付いた時に止めるといった無理のない方法をアドバイスさせてもらえたらと思います。

 


 

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2013年8月27日 火曜日

歯を長持ちさせるために 

 現在の日本での抜歯される(歯を抜く)原因はご存知でしょうか?第1位は歯周病(41.8%)第2位はむし歯(32.4%)で予想通りと思います。では第3位はと言いますと歯の破折です(11.4%)。以下、矯正による抜歯や外傷•••と続きます。(8020推進財団 2005年より 図 nico 2009 11月号より)




その中で今回は歯の破折についてです。

神経 をとった歯はむし歯にならないと思われている方がいますが同じようにむし歯になります。むし歯になっても神経はすでにないので痛みが出にくく神経をとる必要のあるほど大きなむし歯があったわけですから歯も薄くなっていることが多く咬む力による疲労で破折します。むし歯による感染などでダメージを受けた神経はとらなければ治らないですが出来ればむし歯を早期に発見し痛みの出る前に治療することで神経を保存し破折しにくくすることが必要と思います。


普段、何も食べていてない時みなさんの上下の歯はどうなっているでしょうか?上下の歯が触っていますか?離れていますか?通常口が閉じている状態の時は唇が上下軽く合わさり上下の歯は接触しないのはご存知でしょうか?しゃべったり、食べたりという時でも直接歯が合わさるのは瞬間的です。ですから1日の歯の接触時間を合計しても20分以内といわれています。仕事や家事をしていたり集中したり、考え事をしている時に習慣的にかみしめ(上下の歯を触らせる)方がおられます。そのような癖が何年、何十年と続くと自分の咬む力で自分の組織傷める結果となり様々な症状が出ます。歯に細かな亀裂が入り疲労が蓄積し硬いものをかんでいなくても破折につながることがあります。(歯の接触する癖による障害は後日詳しく・・・)




 


 

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2013年8月17日 土曜日

歯がしみるのは・・・

Nico 2011年 2月号より (図Nico
2011年2月より)












 暑い日は冷たい飲み物を飲んだりアイスクリームなどを食べることの多い時期と思います。そのような時期は「歯がしみる」という方が多くなります。

 歯がしみるという症状(冷水痛)があると必ずむし歯があるかというとそうでもないというケースがよくあります。歯がしみるという症状は神経のある歯の場合歯の方が出す最初の警告サインであることが多いです。しみるという症状はむし歯、歯周病による歯の根の露出、歯の亀裂や破折、詰め物の不適合やその下のむし歯、歯に対する過重負担・・・その他の原因というような事が単体あるいは複雑に絡み合います。直視やレントゲン写真ではっきり分かるむし歯があればいいのですが、過重負担や亀裂などが絡むとすぐに診断するのが難しいこともあります。むし歯が原因でない歯がしみるという症状は知覚過敏症といわれ、痛みを生む刺激が歯のどこから入り込んでいるのか検査し探していきます。一般的な知覚過敏症の治療は主に4つのステップで治療していきます。

 

one自然治癒を促す。
 夜間の歯ぎしりや日中の必要のない時の歯の接触時間の長い方(通常食事時間を含めても1日の上下の歯の接触時間は20分以内と言われています)は歯の内部に力が伝わり歯がしみるという症状を起こすことがあります。過剰な免疫機能で食物アレルギーや花粉症になるように、必要のない過剰な咬む力は口の中で様々な障害を起こし、その中の一つの症状として歯がしみるという症状があります。特徴としてしみる場所が変わったり特に治療したわけでもないのにしみるのがなくなったという場合この可能性があります。過剰な力がかからないように気を付けてもらうだけで治るケースも多いです。

twoコーティングする
 歯周病で歯の根が露出している、さらに歯の根もとがクサビ状に欠けているなどして本来口の中に見えていない象牙細管という歯の内部の組織が露出、開口すると内部に温度差が伝わりやすくなり歯がしみます。象牙細管を封鎖し歯の内部に温度差が伝わりにくくするように知覚過敏用のコーティング材を塗ったり、お家ではコーティング成分の入った知覚過敏症用の歯磨き剤を正しい方法で使用してもらいます。

threeレジンといわれる樹脂などで埋める
 歯の根元のすり減りでその部分からしみている場合レジンといわれる樹脂で元の形態に戻すように埋めたり、歯の亀裂などでしみている場合は詰め物でカバーして刺激を伝わりにくいようにします

four 歯の神経をとる
 むし歯のように歯の神経に細菌感染ない知覚過敏症のケースでもしみたり、しみなくなったりを繰り返すうちずっと神経が興奮状態になり治癒が見込めなく日常生活に差し障りが出るような時もあります。その場合は歯の神経をとる根の治療が必要になることがあります。

threefourの間の壁が高い感じもしますがfourの症状になると自然治癒力や保存的な治療では完治は困難と思われます。

「歯がしみる」という症状で自然に治ったから、強くしみないから大丈夫と安心せず一度検査する事をオススメします。

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2013年4月 5日 金曜日

山口歯科医院通信vol.1歯周病について



                     

口の中には400種類以上の細菌が住んでいます。歯周病の原因となる細菌はその中のほんの数種類です。しかしそのような細菌は時間とともに丈夫な膜状の構造いわゆる歯垢(専門的にはプラークやバイオフイルム)となり、歯垢が硬く石灰化し歯石となります。歯石の表面はざらざらなのでさらにその上に多くの歯垢がつきます。歯周病原細菌からの毒素やそれに対する体の免疫反応により歯の周りの組織が破壊されます。
 しかし歯周病は初期の段階では特に自覚症状がなく、進行にともない歯ぐきからの出血や口臭、中等度から重度になると歯が動くためかめなくなったり歯ぐきが腫れて膿がでたりし最終的には歯が抜け落ちてしまいます。歯が抜けるのは自然の老化現象ではなく歯周病によるものが多く、予防や進行をできるだけ遅らせられる病気です。

正常な歯周組織
歯周病の組織

 歯周病治療ではおもに口の中の細菌の数を減らすことです(歯垢や歯石除去)。しかし1度きれいに細菌を除去しても歯と歯ぐきの間の溝(専門的には歯周ポケットといいます)内では歯ブラシが悪い場合は数週間、歯ブラシがよくても数ヶ月で歯垢が付着してきます。そのため歯磨きもひとつの方法ですがそれだけではまったく十分ではありません。なぜなら硬い歯石などは歯ブラシではどんなにこすっても除去できず、歯と歯ぐきの間の溝(歯周ポケット)の中の歯垢や歯石は歯ブラシの毛先が溝の中に一定の深さしか届きません。そのためその先は細菌が繁殖が進み歯周病が進行するため歯と歯肉の溝の中などは専門的なクリーニングが必要となります。

◎まとめ

①歯周病の1番の原因は歯周病原因菌による毒素や免疫反応により歯の周りの組織の破壊でおこる病気です。歯垢は食べかすや歯から出た汚れではなく口の中の細菌の塊です。これらを歯磨きと専門的なクリーニングを行い低く維持することが大切です。それらにより進行のスピードを遅くさせます。また、まだ歯周病が発症していない方や初期の方は早期にクリーニングを始めた方が 進行してから開始するより発症を予防したり進行をさらに遅くすることができます。

②歯周病は細菌の感染症ですが悪化させる因子として喫煙、遺伝的素因、ストレスや生活習慣、食生活の乱れ、性差(特に女性。妊娠中や更年期(詳しくは女性と歯周病編))などがあります。その中でも最もリスクのあるものは喫煙です。喫煙者はタバコを吸わない人に比べ約3倍以上のリスクがあり歯周病治療に対する組織の反応がよくないことが多いです。また禁煙後もとに戻るには約10年程度かかるともいわれています(詳しくはタバコと歯周病編)。またすでにご家族や近親者に重度の歯周病の方がおられる方は遺伝的素因をもっておられる可能性があるため要注意です。

                                  

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